こんにちは、うえちかブログです。
「昨日私は彼に2時間またされました。」を英語に出来ますか?
ということで、今回は間違えやすい「受動態」のお話です。
受動態の基本構造
簡単に基本文の構造のおさらいですが、受動態の英文は、
主語(S) + be動詞 + 動詞(V)の過去分詞 + (by ~)
で、「Sは(~によって)Vされると訳されます。」
(受動態について調べてる皆さんなら過去分詞の説明はいらないと思うので割愛します)
例文
She read this book.
彼女はこの本を読んだ。(能動態)
This book was read by her.
この本は彼女に読まれた。(受動態)
このように、能動態から受動態に書き換えるには、
①目的語(動詞や前置詞に続く名詞)を主語にする。
②動詞を be + 過去分詞 の形にする。
③元々の主語を by + 目的格 にして文末に持ってくる。
基本的にはこの簡単3ステップを守れば誰にでも出来てしまいます。
では、冒頭で出てきた今回のテーマ「待たされる」もこの3ステップで簡単に出来てしまいそうですね。
早速見てみましょう。
I was waited / I was waited for ?
「昨日私は彼に2時間待たされました。」を英語にすると、
I was waited by him for two hours yesterday.
とやってしまう人が多いですが、残念ながら間違いです。
あ、わかった!
そもそも上の3ステップに従って書いてないから先ずは能動態からやって見れば良いじゃん?
と思った生徒の皆さん。
なかなか鋭いですね。では、見てみましょう。
能動態
He waited for me for two hours yesterday.
昨日彼は私を2時間待ちました。
だから、なるほど「~を待つ」は「wait for ~」で目的語は for の後の me だから受動態にする時は
be waited for まで入れなきゃいけないから、
I was waited FOR by him for two hours yesterday.
となるんですね!?
と、頑張ってくれた生徒さん。
残念、これもハズレです!
確かに文法的にはあってますが、この英文の意味は、
「昨日私は彼に2時間待たれました」
になってしまうんです。
「待つ」の受け身の形は「待たされる」ではなく「待たれる」なのです。
なのでそもそも能動態の英文から違っていたんです。
「待たされる」にするには「待たせる」という言い方を知っていなければいけません。
ここで覚えて頂きたい重要なポイントがあります。
それは能動態を受動態に書き換えても英文の意味は全く一緒ということです。
「彼が私を待っていた」ので、私は「待たせる側」であって「待たされる側」ではありません。
それは能動、受動関係なく終始一貫していなければなりません。
最初の例文 She read this book が受動態になった瞬間彼女が読まれる側になったら怖いですよね。
それでは最終章で答に入っていきましょう。
待たされるを英語で
「待たされる」の能動態は「待たせる」ですね。
それは keep 人 waiting と言います。
人を待っている状態に保つ = 「待たせる」です。
ですので以下の能動態の英文から始めないといけません。
He kept me waiting for two hours yesterday.
昨日彼は私を2時間待たせました。
⬇️
I was kept waiting by him for two hours yesterday.
昨日私は彼に2時間待たされた。
ちなみに
I was kept waiting for two hours by him yesterday.
でも特に問題はありません。
前者は何となく彼に待たされたのは周知で、それが2時間にもなった感が少し強い気がします。
逆に後者は彼に待たされたが強調されている感が少しあります。
まとめ
「待たせる」は keep 人 waiting
「待たされる」は be kept waiting
覚えて頂けましたか?
ただ、そもそもを言ってしまうと be kept waiting はそんなに自然ではありません。
日本語では「~された」という言い方は割と普通で、
だからこそ英文を作るとき「された側」が主語になるので受動態を作ろうとしがちです。
しかし英語は受け身形に書き換える文法はあれと口語では能動態が主流で、
能動態で言えることをわざわざ受動態に変えることは少ないと思います。(無い訳じゃないです)
ですので、
He kept me waiting for two hours yesterday.
と言う方が全然自然なんです。
そしてこの英文を日本語に訳す時に、「2時間待たされた」と解釈すれば良いだけなんです。
言語が違うわけですから毎回逐語的に訳す事は無理ですし、またその必要性もないですね。
英語には英語らしい表現があるのでそれを学ぶよう心がけていく方が上達に繋がるかもしれません。
それでは。
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